後藤幸浩CD・映像情報ご注文やお問い合わせは後藤 monogurui5015@yahoo.co.jp までメールお願いいたします。
![]() ミチノネ 発売元 ウォーターネットSG 2008年12月17日発売、2,800円)、 WQCA-1022 12月17日に、後藤幸浩(薩摩琵琶)×小濱明人(尺八) のデュオ・アルバム『ミチノネ』(Waternet Sound Group、WQCA-1022、2,800円)がリリースされます。 チラシの叩き文句を引用すると… 「門付け」に始まる“大道=ストリート”に原点を持つ琵琶、 尺八。街を歩き、家を回り、音にのせて“心”を届けていた。後藤幸浩(薩摩琵琶)、小濱明人(尺八)の デュオは“大道=ストリート”のスピリットを蘇らせつつ、その延長でもある芝居小屋、神社、寺、 酒場、様々な場所で5年間にわたりライヴを続けてきた。さらに、2008年1月、日本を代表する演奏家として NY=アジア・ソサエティ、LA=日米劇場で演奏を行い好評を博する。ルーツを共にする2つの楽器ながら、 これまであまり共演されることのなかった琵琶と尺八。長い時空を越え、今、その決定版がここに完成。 …となります。 小濱君は5種類の尺八、さらに鹿児島に伝わる幻の笛「天吹」を駆使し、尺八の音色、音使いなど全ての 面で、尺八の可能性の極限に挑んでます。 私=後藤は戦国〜江戸時代以来の伝統を持つ、4弦4柱(柱=ギターのフレットにあたる)の楽器〜多彩な 音を導き出し、語り・歌では古語・方言・現代語までを幅広く聞かせる試みをおこなっています。 一般のCD店でも注文・購入頂けます。もちろんこのサイトからでも注文頂けます。宜しくお願い致します! 収録曲は以下です。 1、『開―KAI―』 新たな扉を開く。尺八・薩摩琵琶の激しさとスピードが、先の見えない今を駆け抜ける。 アルバムの1曲目として、そしてCD全体を貫く代表曲として仕上がりました。(小濱) 琵琶はダビングを行い、計2面(琵琶は1面、2面と数えます)の掛け合いという感じになってます。 琵琶2面のアンサンブルは珍しくありませんが、ここでは綺麗なアンサンブルというより道、あるいは 自然のノイズ的なイメージの音になっています。(後藤) 2、『恋して眠れ』 私の4作目のソロ・アルバム「恋して眠れ」に収録した際は、おとなしい3拍子でしたが、デュオで 演奏するうちにリズムも変わり、歌・楽器のインプロヴィゼイション両方を生かす展開になりました。(後藤) 3、『門琵琶〜仏は常に』 門琵琶は、江戸時代以来の4弦・4柱(=フレット)薩摩琵琶に伝わる伝承曲。演奏者の系統により若干、 音使いが違ったりするのも面白いところです。盲僧(座頭)琵琶の人々が檀家周りの際に弾いた曲が原点、 とも言われている、琵琶の仏教的側面が良く現れた曲です。 今回は中世の庶民的な歌謡を集めた“梁塵秘抄”の中の、 仏教歌を続けました。門琵琶に尺八が入ることはほとんどありませんし、後半の歌の節も“越天楽”風になりましたが、 結果的に地唄のようにも聞こえる“不思議な純邦楽”になったと思います。(後藤) 4、『祈りの舟』 『仏は常に』と同じく“梁塵秘抄”より。“梁塵秘抄”には桃山晴衣さんを始め、いろいろな方が取り組んで いらっしゃいます。確かにそれだけの魅力に溢れた歌詞が満載、という感じです。全く根拠のない節付けになって しまいましたが、舟に揺られている感じは良く出たかなと…。尺八も琵琶も、日本の楽器というより、東南アジア的な 雰囲気でしょうか。(後藤) 5、『テンノネ』 薩摩に伝わる幻の笛「天吹」。四百数十年前、島津日新公が薩摩士風を高揚するため薩摩琵琶と「天吹」を 奨励したと言われています。その素朴で神秘的な音に導かれ、この曲は生まれました。 (小濱) 南九州の、どこかの海岸の近くの小さな神社の祠で、1日中ぼーっとして、波の音といっしょに聞きたい演奏…です。(後藤) 6、『波の下にも』 “平家物語”からの抜粋です。祇園精舎、壇ノ浦の合戦描写、二位尼と当時8歳だった安徳天皇の入水、3場面から 成っています。合戦描写の場面のみ、大正時代の琵琶歌本「琵琶秘曲集」の『壇ノ浦』(作者不詳)から引用しました。 尺八との組み合わせにより、琵琶弾き語りだけの時以上に、物語の情景、心情は伝わり易くなったと思います。 今回は抜粋の録音ですが、ライヴでは様々な題材の長尺演奏も行ってます。ここから3曲は2008年1月のNY、LA公演でも 演奏し好評だったものです。 7、『手向』(古典本曲) 禅宗の一派である普化宗の僧侶、「虚無僧」が修行のために吹いていた尺八の独奏曲を『古典本曲』と言います。 手向とは、神仏や死者の前に物を供える事を指しますが、この曲はその名の通り亡き人を偲ぶ曲として吹奏されて来ました。 数ある古典本曲の中でもとりわけ深い哀しみをたたえた曲です。今回は琵琶が加わることにより、この曲の新たな側 面が浮き彫りになったと思います。 (小濱) 8、『五木の子守歌』 子守の気苦労、山の民、あるいは勧進聖など放浪芸人の心情が歌い込まれている、“道=ストリート”で生きてきた 人々のテーマ・ソングのような歌。歌詞は熊本弁で歌われ、土着性も強烈でこのアルバムのラストにふさわしい曲でしょう。 『波の下にも』と同様の、語り・歌、琵琶、尺八の有機的なからみはこのデュオの真骨頂 だと思っています。(後藤) ![]() レビュー記事 レコード・コレクターズ2009年3月号、ニュー・アルバム・ピックアップより 大鷹俊一氏 本誌にも鋭い原稿を寄せる薩摩琵琶奏者、後藤幸浩が昨年、アメリカでも一緒にやった尺八の小濱明人と作ったデュオ作。 “ストリート・ミュージックの原点”とでも言うべき“門付け”の精神を現代の中に溶け込まそうと、様々な場所で ライヴを行ってきた現時点での成果をまとめようということだろう。 何かを開きたいとのメッセージがこもった「開〜KAI」に始まり、『梁塵秘抄』や『平家物語』か らのもの、後藤のオリジナル「恋して眠れ」や最後に置かれた圧巻の「五木の子守歌」など多彩な曲が選ばれ、 二人が5年間やってきた豊かな世界が広がる。薩摩に伝わる幻の笛“天吹”を使った「テンノネ」も面白い響きで 興味深いが、圧巻は『平家物語』からの「波の下にも」で、壇ノ浦の合戦場面なのだが緊迫感を持った琵琶と 語りで展開する物語に尺八が鋭く切れ込んでくる展開など、思わず膝を乗り出して引き込まれていく。 いつか屋外でこのデュオを体験したい、そんな気分にさせてくれるアルバムだ。 ミュージック・ペンクラブ・ジャパンのオフィシャル・サイト、3月のレヴューより 原田和典氏 昨年12月に発売されたCD『ミチノネ』は傑作だった。だから僕は彼らを生で聴きたくてたまらなくなってしまった。 後藤幸浩と小濱明人。かたや薩摩琵琶の弾き語りで知られる(音楽評論家でもある)ベテラン、片や“歩き遍路 四国八十八カ所 奉納演奏Tour”に挑んだ尺八の気鋭だ。演目は「五木の子守歌」、「平家物語」に題材を得た「波の下にも」、鹿児島 だけに伝わるという小型尺八“天吹(てんぷく)”を用いた「テンノネ」などなど。 バリバリの邦楽といっていいだろう。が、そこは、さまざまな音楽に造詣の深い両者だけあって、 とにかくサウンドの風通しがいい。オープニングを飾った「開-KAI-」は、まるでハード・ロックとモード・ジャズの 融合といった趣だ。(1月31日、東京は祖師ヶ谷大蔵Cafeムリウイでのライヴ評です…後藤注) ※お二人とも私が尊敬する音楽評論家です。ほんとうにありがとうございました!!!
You Tubeで「後藤幸浩・琵琶biwa×小濱明人・尺八shakuhachi」と検索すると、アルバム『ミチノネ』収録「KAI〜開」の
ライヴ映像が御覧になれます。また「sutsumabiwa by yukihiro goto」で検索すると、後藤幸浩の弾き語り「那須与一」(“平家物語”のテキストに 節付けしたものです)もご覧になれます。 ![]() 田舎人のうた〜後藤幸浩・琵琶弾き語り 発売元 アクティブ・ボイス 2007年1月店頭発売、2,940円(税抜2,800円)、KYIM 2002 後藤幸浩/琵琶弾き語り、小濱明人/尺八(「熊凝のうた」) 2006年8月19日“国境の南”(東京都渋谷区)で録音 5作目ニュー・アルバム『田舎人のうた〜後藤幸浩・琵琶弾き語り』12月15日完成! 8月に録音後、制作を進めておりました5作目のニュー・アルバムが『田舎人のうた〜後藤幸浩・琵琶弾き語り』のタイトルで、 完成します。題材は平家物語、万葉集、今物語、梁塵秘抄、と全て古文から。アルバム・タイトルどおり、田舎人が主人公の話・ 歌を選びました。熊本出身・イナカ者の後藤幸浩がいにしえのイナカ人を弾き語るという内容です。1曲、尺八奏者・小濱明人 君に参加して頂いてます。 発売は『恋するバナちゃん』『琵琶の故郷〜九州を奏でる』を発表したアクティブ・ボイスから。店頭発売は年明けになりますが、 本サイトでは通販を12月15日より開始致します。よろしくお願い致します! 曲目解説 木曽最期 平家物語に登場する源氏方の武将、木曽義仲は、幼少の頃、信濃の国・木曽山中の中原兼遠(かねとお)の所へ送られ そこで育った木曽の田舎人です。1183年5月に倶梨伽羅谷の戦いで平家方を撃破。平家は都落ちを余儀なくされ、日の出の勢いで 義仲は京に入ります。 しかし、源頼朝があくまでも源氏の嫡流、義仲は傍流としか思われず、後白河法皇ともうまくいきません。さらに義仲軍の 都での目に余る行状、義仲自身の田舎キャラ(猫間中納言という人を“猫殿”と呼んだり、牛車に乗る際のマナーを違えたり…) がひんしゅくを買い、あっというまに(まさに無常、盛者必衰)その立場は悪くなってゆきます。 義仲追討の命を出した法皇側との合戦に勝利しますが、法皇を幽閉したり、平家との和解も計ったり(結局失敗)と乱雑な 戦略でさらなる孤立を招いてしまいました。そしていとこでもある源義経らの進撃に押され、最期の時を迎えます。 その最期を描いた平家物語第九巻の中の「木曽最期」、今回は最後の戦いに挑むあたりからやってみました。平家物語独特の 装束の描写、合戦、勇敢な巴御前、義仲と乳兄弟である今井四郎兼平との濃密なやりとり…そして木曽義仲の最期、 今井四郎兼平の壮絶な自害。語り・琵琶ともに薩摩琵琶のさまざまな手を駆使した30分を越える演奏です。 熊凝のうた 熊凝は人物名。大伴熊凝(おおとものくまごり)がフル・ネームで、肥後国(もちろん、今の熊本県)は益城(ましき)郡の人。 当時、神事であった相撲に参加する力士を都へ連れて行く役職があり、18歳のとき(天平3年)、その付き人となり都へ向かいます。 しかし途中、病にかかり安芸国佐伯郡高庭(現在の広島県西部)で亡くなってしまいました。 その時の熊凝の心情に思いをはせ、麻田陽春という人が2首の歌を残しました。さらに、その歌に共鳴した山上憶良が6首の 歌を残したうちの、最初のものがこれです。益城という地名は今も健在で、熊本空港もそこにあります。東京・熊本の移動はいつも 飛行機なので、空港に行くたびに熊凝のことを思い出しますが、相撲取りを連れての、長い徒歩の旅とは…どういうものだったので しょうか。ましてや途中で病死とは…。 この曲のみ、尺八の小濱明人君に参加して頂きました。熊凝の無念さを現しているようで、とてもいい感じです。 うしろむき 『今物語』は鎌倉時代中期の、藤原信実作による短編集。これは都で一緒に暮らす都会出の垢ぬけた女と、田舎出の男の話。 ある時、急用が出来て、男は田舎に帰らなければいけなくなります。いよいよ明日帰るという晩、女はいつになく落ち込んで、 男に背を向けて寝てしまう。男は不満です。“いつまでこんなに無視するんですか、今だけでいいからこっち向いて下さいよ”と 言う男に、女は歌で返します。さて、何と返したかは聞いてのお楽しみ…。 わが子は二十に 梁塵秘抄は平家物語でもおなじみ、「木曽最期」の解説でも名前の出た、後白河法皇の編纂による平安時代末期の歌謡集的なもの。 新しい感覚での節付けの試みは三味線の桃山晴衣さんが始められ、今ではいろんなところで聞けるようになりました。今回は、 歩き巫女(=巫)、博打打ちなど遊民を歌ったものを取り挙げたなので、若干、田舎人という感覚とはズレるかもしれませんが、 世の中の中心ではなく周辺部にいる人々ということでは、違和感は無いかと思います。 制作 後藤幸浩 録音・整音・マスタリング 大島宏樹 デザイン 遊橋裕美 写真 小坂淳 協力 羽田野純夫(国境の南)、小野木豊昭(古典空間)、小濱明人、小坂淳、丸山友、瓜啓二、 梶原宏之(阿蘇たにびと博物館)、増永研一 レビュー記事 ● 大鷹俊一氏/レコード・コレクターズ、2007年3月号 “〜圧巻は冒頭に置かれた『平家物語』からの「木曽最期」で、30分強にわたって木曽義仲の最期の物語が語られる。 細かい数字を挙げながらの追っ手との闘い場面などは激しく想像力を刺激してくれ、その生々しさに慄然とさせられるが、 録音が渋谷にある音楽バーであることも関係しているのか、どこかで彷徨う怨霊たちも聞き惚れているかの緊迫感があって 素晴らしい。また尺八も入ったものなど、どれも古語とは思えぬリアリティが情感豊かな演者を通して伝わってくる。 ● 渡部晋也氏/邦楽ジャーナル、2007年2月号 “〜「演奏」は字の通り「奏で演ずる」ことで、奏者にはもれなく演出を加えた実演が求められるのだが、彼の琵琶語りには 後藤そのものが滲み出て、そこに演出を感じさせない。琵琶を抱き歌う後藤にも、飲み屋でコップ片手に話し続ける後藤にも、 同じ地平とパワーを感じてしまう。そう、まさに等身大で現在形の後藤が詰め込まれている。それだけに聴き手も覚悟をもって 臨みたい。でなければこのアルバムの真価は見えてこないはずだ。” ● 渡部晋也氏/『神楽坂まちの手帖』平成19年・第16号「新世紀邦楽人〜Jトラッドな人々-3」より “〜薩摩琵琶の後藤幸浩は色々な歌や物語を奏で、そして唄う。その昔、琵琶人気が確立するきっかけとなった平家物語(平曲)は もちろん、民話や子守り唄、果てにはジャズ・ナンバーまでもとりあげる。そんな姿勢は一見革新的に見えるかもしれないが、 弦を弾き、声を絞りだして人に伝えるという作業は、伝統的手法そのもの。華美な衣装を纏うわけでも無く、自然体に弾き歌う 後藤の琵琶と唄は表面だけを装う伝統風からは遠いが、本質はむしろここにある。 そんな後藤の、まさに身を削るような演奏に立ち向かうとき、我々もまた伝統を受け継ぐ行為の最中にある。なにも大上段に 振りかぶる必要などないのだ。” (※レヴュー、記事は僭越ながら抜粋させて頂きました。執筆して頂いた方々、ライヴにも足を お運び頂き本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します)
先帝身投−平家物語弾き語りシリーズ第1弾チーフベアー、2005年10月発売、1,200円(税込) 今年初頭あたりから考えておりました、平家物語の弾き語りシリーズ第1弾が完成!まずは要望の多かった、壇の浦での一場面 「先帝身投」を取りあげました。平清盛の妻・二位殿が齢わずか八歳の安徳天皇を抱いて入水する場面です。合戦の場面は、 大正時代の古い琵琶歌本収録の歌詞を、他は文庫本でも読める平家物語「覚一本」を参考に構成。後藤が習得した、明治以前からの 薩摩琵琶の手法をもとに節・手付しましたが、随所に後藤ならではのアイデアを盛り込んだ、独自の平家語りになっています。 ブックレットはA5サイズ、表紙は和紙貼り、綴じ紐の一部には琵琶の絃を使った手作りです。写真のように色も数種類。 シリーズ化で数ヶ月に1回のペースで出したいため、盤はCDRになっています。CDRとはいえ、業者さんにやっていただきましたの で(家庭ダビングではありません)、音質・機材への対応などほとんど問題ありません。 定価は税込み1,200円、『恋して眠れ〜琵琶歌謡・琵琶語り』同様、レーベルはChief Bearです。 通販希望の方はメールmonogurui5015@yahoo.co.jp かファックス(03-3360-9602)で、宜しくお願い致します!
恋するバナちゃん〜芸能/バナちゃん節:もの語りアクティブボイス、2005年3月再販、全7曲、2,625円(税込) 門司バナナの叩き売り(元祖オリジナル、口上:井川忠義、合の手:中山宗保)/バナちゃん節くずし(浪花節入りヴァージョン、唄:阿河政治、薩摩琵琶:後藤幸浩、 尺八:山崎箜山)/BANANA SKILL(レゲエDJ:“バナナマフィン”ゴオサン、Vo:浜田智子、薩摩琵琶:後藤幸浩、尺八:山崎箜山、 Per:浜田靖彦、サポート:“SNAFU”ISAKI)/ライブ・イガやんのバナちゃん節(口上:伊賀守)/早口バナナ口上(口上:伊賀守)/ バナナの物語り(唄:井川忠義、合の手:中山宗保、背景:バナナ社社中)/断章・道−五木の子守唄より(唄・薩摩琵琶:後藤幸浩、 尺八:山崎箜山、ボンゴ:浜田靖彦)
恋して眠れ 琵琶歌謡・琵琶語りチーフベアー、2004年5月、全8曲、2,940円(税込) 前説/うたえやうたえ/百足の使い/ロンリー・ウーマン/島原の子守唄/物狂い/ずっとそばに/恋して眠れ 熊本県・山鹿市にある明治時代に出来た古い芝居小屋=八千代座( 国重要文化財)で録音。 全曲、戦国〜江戸時代以来の伝統を持つ、4絃4柱の薩摩琵琶のみを使った弾き語り。 恋歌、古典、子守唄、熊本弁による民話など、喜怒哀楽に自然に訴えかけてくる題材の8曲。 録音は前作『九州を奏でる』と同じ大橋慧。後藤幸浩の琵琶弾き語りをよりよく聞かせるため、今回もさまざまな 工夫が施されています。ジャケットはふつうのサイズですがデザイン、写真ともに20歳代後半の若手によるもの。 琵琶に対する新鮮な感覚で音楽をフォローしています。 前作に続き、今までの琵琶音楽や純邦楽では考えられなかった面白さが満載です。後藤幸浩の琵琶の多彩な世界に ぜひ、触れてみて下さい。 レビュー記事(記事はすべて抜粋です) ● レコード・コレクターズ誌 04年8月号 大鷹俊一氏 自分と一緒に歳を重ねていくことを楽しみにできるアーティストを持っていること は幸せだ。薩摩琵琶法師の後藤幸浩さんも、僕にとってはそんな人の1人。これ は4枚目にあたるソロ・アルバムで、残響の奥から言霊たちの囁き声が聞こえてくる ような感覚があり聴き進むうちに、不思議な快感に誘われる。 彼らしいバラエティに富んだ、そして彼しかできないものがずらりと並ぶが、と くに薩摩琵琶の古歌であるという「物狂い」から最後の「恋して眠れ」は圧巻だ。琵 琶に語りという形のせいもあるのだろうが、加齢と共に芸が黒光りを増してくる日が 待ち遠しい気分になれる快作だ。 ● 邦楽ジャーナル誌 04年7月号 渡部晋也氏 まず琵琶という楽器がもつ表現の豊かさにしばしば耳を奪われた。これだけの表 現が4絃の振動から生まれることに素直に驚き、これまで聴いてきた「琵琶の音」の イメージを飛び越えた琵琶との出会いに興奮した。それにしても「琵琶歌謡」とは 上手い言い方だと思う。大衆に伝わる唄を琵琶に乗せるというスタイルを文字で表す としたらこの表現しかないだろう。伝統音楽に興味がない人も振り向かせるパワー を持っている。だからこそ広くだれにも聴いてみて欲しいと素直に願うアルバムだ。 民謡をモチーフにした「百足の使い」必聴。 ● CDジャーナル誌 04年7月号 中山久民氏 薩摩琵琶古歌「物狂い」での伝統継承者としての顔と、阿蘇の民話からの「百足 の使い」での肥後弁を織り交ぜた語りでみせる土俗的庶民性、オリジナルの「ずっと そばに」「恋して眠れ」などでの心地よい狼藉者ぶりも健在。圧巻はオーネット・コー ルマンの「ロンリー・ウーマン」を予想外なかたちで琵琶歌謡化。趣にみちた作品で ある。
琵琶の故郷 九州を奏でるアクティブボイス、2001年、全5曲、ブックレット入、2,800円(税込) 般若心経/断章・道「五木の子守唄」より/幽霊/酔弦II(十句観音経入り)/炭鉱ブルース(炭鉱節、ゴットン節より) “… 生まれは遥か中近東 シルクロードの山を越え 印度〜中国〜朝鮮半島 仏教の修業で旅をして 半島の港を船出して 金波銀波の波を越え 艱難辛苦の暁に ようやく着いたが今の宮崎 日向の国で これが昔の6世紀 お経といっしょに掻き 鳴らされて これが日本の琵琶の始まり 始まり …” これは1曲目「般若心経」の前説の部分。琵琶は6世紀頃、仏教の楽器として九州に伝来したと言われている。盲目の僧が 奏でたので盲僧琵琶と呼ぶが、この仏教系の琵琶から薩摩琵琶、筑前琵琶、平家琵琶など語り物系の琵琶が生まれた。 後藤が習った“正派薩摩琵琶”という、薩摩琵琶の古くからのオリジナリティを備えている琵琶も、仏教系の琵琶をもとに、 島津藩の侍と薩摩盲僧琵琶の奏者が共同で、鎌倉時代〜江戸時代と長い時間をかけて完成させたものだ(後に町民も弾くように なり、薩摩藩下ではブームとなった)。 数々の語り物も演目にある熊本の肥後琵琶も伝承者が存在したり、宮崎には檀家廻りを続ける盲目の奏者が健在だったりと 盲僧琵琶の伝統は今も生き続けている。もちろん薩摩琵琶、筑前琵琶の奏者も多い。だから琵琶は6世紀以来“ずっと九州に あったもの”ということになり、誰か琵琶を弾く人間がいる限り“これからもずっとここにあり続けるもの”ということになる。 九州は琵琶の故郷、と言ってもいいだろう。 “ずっとここにあった”歴史の中の琵琶の姿。“これからもここにある”現在〜未来の琵琶の姿。琵琶を軸にして見た九州と いう土地。九州という土地を軸にして見た琵琶。そんなことが5つの曲から伝われば幸いだ。 レビュー記事(記事はすべて抜粋です) ●200CD邦楽〜伝統とニューウェーブ(立風書房) 若手からベテラン奏者の名盤を完全網羅、というふれこみで、後藤は第1章・新感覚をになうアーティスト、 の部分で取り上げられています。“世界中の音楽から学んだエッセンスを琵琶に凝縮、琵琶本来の生々しさを 前面に出したじっくり向き合える一枚”といった内容。 また、制作と演奏で参加した『恋するバナちゃん〜芸能/バナちゃん節:もの語り』も第6章・街角に息づく庶民の芸、 で紹介されています。 ●CDジャーナル2001年6月号 後藤幸浩は“芸能”の奥底に潜む土俗的な宗教性をも内包した詠い語りを展開する。 「般若心経」や「幽霊」「酔弦II」などを聴いていると、ワタシが死んだら葬儀で演ってもらいたくなる。(中山久民氏) ●ロック画報2001年5月号 低音弦のドローンを背景に高音弦がビリビリふるえる音は、音響的にびっくりすほど複雑で、 鋭さも柔らかさもある。〜とにかく日本の弾き語り音楽のルーツを感じさせる音楽。(北中正和氏) ●ミュージック・マガジン 2001年6月号 琵琶という馴染みのない楽器を使う独特の歌い方でも、思いっきり今のポピュラー・ミュー ジックとして息づかせようという意欲が見える。〜日本にもこんな面白いブルースマンがいるってことです。(関谷元子氏) 企画性と、マテリアルの料理方に興味を引かれるが、歌の節回しにはまだ不満がある。ブックレット形式のパッケージが 面白いし、芸人としてのユニークさは充分認めたい。(中村とうよう氏) ●ジャズ批評2001年8月号 ジャンルを越えて音楽を愛する後藤のアーシーな弾き語りはジャズファンにもきっと気に 入ってもらえるはず。増永研一と後藤自身によるライナーノーツも大変な読み物だ。
琵琶七変幻アクティブボイス、1997年、全6曲、2,800円(税込) うたえやうたえ(梁塵秘抄、閑吟集より)/竹生島ブルース(生田流筝曲「竹生島」より)/般若心経2/初笛(うぶえ)/黒髪 (地唄「黒髪」より)/紫陽花/酔弦 後藤幸浩(薩摩琵琶弾語り)、阿部智恵(歌)、田村亜紀(アコーディオン)、田辺洌山(尺八)
琵琶三昧 うねる弦、ゆさぶる歌。アクティブボイス、1995年、全3曲、2,800円(税込) 般若心経/逢瀬/秘曲 後藤幸浩(薩摩琵琶弾語り) |